忘却の都

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すぐ忘れるから書く(^ω^)

ガラスの仮面 13巻〜20巻 感想あらすじ

またずいぶん間が空いてしまった。

色んなことがあった。

ネタバレあり。

マヤの母親が亡くなった。

しかも、目が見えない母親に、マヤの存在を速水真澄は隠していた。



理由は、舞台の宣伝も兼ねて、劇的な母と娘の再会を演出するためだった。

母は自分が情報を遮断され、監禁されていることに気付き、マヤを求めて病院を抜け出した。
目が見えないため、雨に打たれ、事故に遭い、マヤの主演映画が流れる館内でマヤの演技する声を聞きながら母は亡くなった。

それを知ったマヤは絶望。

自暴自棄になったこと、そしてハメられたことにより大切な舞台をすっぽかしてしまった。
さらに母が亡くなったショックで演技ができなくなり、舞台を降ろされ、世間の評判も落ち、芸能界を追放されてしまった。



マヤは学園生活に戻り、高校の体育館で演劇し、そこで評判になった。

一方ライバルの亜弓は着々と実力を上げていき、一人ロミオとジュリエットを演じ、高く評価され、アカデミー演劇大賞を史上最年少で受賞した。

それを受け、月影千草姫川亜弓紅天女の上演権を譲ると発表。

ただしマヤにも2年間のチャンスを与えるとした。
2年以内に同じ芸術大賞か、それに匹敵する賞を取れば二人に紅天女を競わせ、正式に決定すると。

2年の間に月影千草の身に何かあった場合、マヤが棄権した場合は自動的に亜弓が紅天女となる。



どこの劇場からも断られ、芸能界からも追放されたマヤは、そんな賞は無理だと落ち込む。
しかしそんなマヤに亜弓は、棄権したり諦めたら一生許さないと言い放った。

生まれ、容姿、知能、スポーツ。何もかもを恵まれた天才少女、亜弓を羨むマヤ。

そんな亜弓は天才と言われながら、幼少期から有名人の子供としての立場に苦しみ、血の滲むような努力をしてきた。

亜弓は自分は努力し、作られた天才であり、マヤこそが本当の天才なのだと思っていた。



感想
20巻が神巻だった。

亜弓の凄さが初めて理解できた。
これまではマヤのライバル、当て馬としか見てなかったし、実際当て馬だと思うけれど、亜弓の演技に感動したのはこの巻が初めてだった。

一人ロミジュリの初まり。
鳥からジュリエットに変わるところが、本物の舞台の空気感を感じてとてつもなく感動した。

この舞台が現実に上演されたら、本当にこれくらい話題になって絶賛されただろうと思わせた。

その後の、亜弓の幼少期のエピソード。
リレーの話は彼氏彼女の事情を思い出した。
カレカノの作者はガラスの仮面に影響を受けたのだろうか。



姫川家は各々が自立し、忙しくしながらもお互いを想い合う、理想的で健全な家庭だと思った。

マヤは高校を卒業し、紫のバラの人こと速水真澄の大学進学の提案を断り、演劇一本で行くことを決め、亜弓は大学進学へ。

紫のバラの人の正体を知らないマヤは、真澄の付き人を通し、お礼として卒業証書と卒業アルバムを送った。

真澄とマヤはいい感じの雰囲気にほんの少しなっていたけれど、歳の差もあるし、何よりマヤの母親の一件が重い。

母の死因に関わったとなれば、いくら恩人であっても許せるだろうか。

でもマヤを認めるまで、母もだいぶ酷い人だった。それでもマヤにとっては唯一の肉親で大切な親だったのだけど。



マヤをハメた付き人に扮してた女が亜弓に潰されたのは気持ちがよかった。

体育館でマヤが演技した「通り雨」。父親の不倫相手に直談判する女子高生というすごい設定なんだけど面白かった。

ガラスの仮面は漫画としてのストーリーの面白さもさることながら、作中の一つ一つの舞台作品がどれも面白くて美内すずえ先生の発想力に唸る。