体がくっついて産まれた双子の姉妹。
一人は醜く、一人は美しかった。
醜い方は、頭がいいけれど美人の妹に栄養分を取られて痩せこけ、髪の毛も抜けてしまっていた。
妹は美しい代わりに知能が低く、言葉が話せなかった。
ある日、医者からこのままでは2人とも命が危ないと言われ、分離手術をすることになる。
手術は成功し、姉の方は次第に回復していったが、妹は反対に痩せこけていった。
憎んでいた美しい妹が、かつての痩せこけて醜い自分のようになり、命を亡くし、自分が美しかった妹そっくりの姿になってしまった。
姉は鏡に映った自分を見て、妹のことをどうしようもなく憎み、どうしようもなく愛していたことを知ったのだった。
こんな短い話の中に、姉の苦しみや悲しさが凝縮されている。
萩尾望都はポーの一族であまり面白くないという印象を持っていたけれど、この短編で見直した。
イグアナの娘の作者とも知らなかった。
懐かしすぎる。
あの頃の俳優、女優、美しくて大好きだった。