忘却の都

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すぐ忘れるから書く(^ω^)

狂四郎2030 感想あらすじ結末

ネタバレあり。

第三次世界大戦後の2030年、日本。

元軍人で25歳の廻狂四郎(めぐり きょうしろう)は警察として1人で生きていた。

狂四郎は幼い頃に、犯罪者になる遺伝子として認識されているM型遺伝子異常者と診断された。
そして、同じく異常と診断された子供たちが集まる施設に預けられ、そこで育った。

施設で過酷な訓練を受けた狂四郎は、脅威的な戦闘力を持つ軍人として活躍する。



長く続いた大戦で世界は荒れ、終戦した頃にはゲノム党という二条憲政(にじょう のりまさ)が率いる政党に支配され、一般市民は男女が隔離され、農場で強制労働させられることになった。

そこでの人々は殆どが思考力を失い、日々労働し、与えられたバーチャマシンで現実逃避する毎日を過ごしていた。

バーチャマシンでは現実では体験できない様々な体験ができ、何処にでも行けたが、多くの人はセックスに溺れていた。



男女を隔離することにより、一般市民に子供を作らせず、特権階級の人間だけが自由に生き、豊かに暮らせる仕組みをゲノム党は作り上げていた。

さらに遺伝子組み換えでデザインヒューマンと呼ばれる新しい人類を生成し、それらに戦闘や労働をさせた。



狂四郎も漏れなくバーチャマシンを利用していたが、セックスはせずに江戸を舞台にして、剣道に精を出していた。

そこで志乃(しの)というポリゴンの女性と出会い恋に落ちるが、彼女はポリゴンではなく実在の人間で、本名は小松由利加(ユリカ)という北海道の管理センターで働く、20歳の超優秀なA級プログラマーだった。

彼女もまた、M型異常遺伝子を持っていたが、レベルCのため隔離はされず、下級公務員として従事していた。

管理センターのセキュリティは厳重で、志乃は外の世界へ行くことは出来ない。



志乃と狂四郎は互いの苦しい過去や現状を曝け出し、バーチャルの江戸で結婚式を挙げ、夫婦となる。

やがて狂四郎は、北海道の管理センターから志乃を救出しに行くことを決意する。

砂漠で出会った、人間の脳を移植された犬、バベンスキーを相棒に、狂四郎は志乃の元へと旅立った。



ふたりはそれぞれの地で苦境に立たされながら、何度も苦難を乗り越え、遂にふたりで管理センターを脱出した。

感想
もっと続くかと思った。
確かに狂四郎とユリカがふたりで自由になることが目的だけど、悪を倒すのかと。

でも徳弘先生としては、個人で組織に勝てるわけがないとのこと。

打ち切りとの噂もあるけど、実際はどうなんだろう。こんな超名作を打ち切りにしたんだとしたら、当時の編集や出版社は相当バカだ。

えろやぐろは過激だけど、キャラクターの表情、心理描写が素晴らしく、夢中で読んだ。


アルカディア編も考えさせられた。

ヒカル。

コンピューターの飛鳥が好きで、最後に少しでも出て欲しかった。

ネットで話題なのはカレーのシーンで、私も見たことがあったけど、まさか狂四郎だったとは知らなかった。

カレー目当てでなく読み始めて、カレーと言われて、すぐピンと来たほど有名なあのシーン。

徳弘漫画はまだ全部読めてないけど、どれも面白い。面白くない漫画がない。すごい才能。ワンピースの作者の師匠と言われても納得する。

読みやすさでは、ワンピースより好き。
他の作品も順次読んでいきたい。

狂四郎、結構古いかと思いきや、1997年〜2004年と意外と新しかった。

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