忘却の都

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すぐ忘れるから書く(^ω^)

ジブリ映画 風立ちぬ 感想あらすじ結末

宮崎駿監督、堀辰雄の小説が原作。
2013年公開。

主人公の二郎は子供の頃から飛行機に憧れがあり、飛行機の航空エンジニアになった。

飛行機に乗りたい夢もあったが、操縦士になるには近眼のためなれない。



地震のあった日、菜穂子(なおこ)という少女と出会う。

少女は二郎に恋をし、数年後に再会した際、二郎も菜穂子に恋をする。

菜穂子が不治の病である結核であることを知りながら、二郎は菜穂子と婚約する。



暫くして菜穂子が喀血する。

設計者として忙しく働く中、菜穂子の父から知らせを聞き、菜穂子の元へ向かった二郎。

菜穂子は山にある療養所で過ごす事になったが、二郎の傍にいたいために山を抜け出した。

上司の家で簡易的な結婚式を挙げた2人は、夫婦として結ばれる。



最後の時を2人で過ごす二郎と菜穂子であったが、菜穂子は死期を悟り、山へと帰って行った。

同じ頃、二郎の設計した飛行機の飛行が成功する。

夢の中で、憧れの航空技師であるカプローニから「生きねばならない」、菜穂子から「生きて」と言われた二郎は菜穂子にありがとうと涙ながらに言った。



公開当時に劇場で見たけど、当時は二郎が嫌いだった。

菜穂子のことを大事にしていないクズだと思っていたから。

でも昨日、金曜ロードショーでまた見たら、二郎の深い愛情に涙した。

当時は、二郎は菜穂子の見てくればかりを見て、綺麗だと言ったりしていると思っていた。

病気なのに化粧をさせて無理させてと。



今は、全て菜穂子自身がしたかったことなのだと理解できた。

菜穂子の死因は結核で、菜穂子の母も結核で亡くなっている。

今の時代は薬があるため、不治の病ではないけれど、当時は違かった。

菜穂子が寝る横でタバコを吸った二郎に批判が集まっていたけれど、あれも菜穂子が二郎の傍にいたかったからで、二郎の普段の姿を見たかったんだという菜穂子の想いからなのだという考察に納得した。

あれだけ濃厚接触していては、二郎にも感染していそうだけれど、二郎は発症せずに生き抜きそうだ。

余談だけれど、菜穂子の名前の読み方はなおこなんだけど、父の電報がナホコなっているから混乱した。



二郎の声優は、エヴァンゲリオンシンゴジラなどを監督した庵野秀明

初見ではなんて棒読みで聞き取りづらく、抑揚のない声なのだろうと、庵野監督だと知らずに見て思ったけれど、再度見てみるとその抑揚の無さの中に確かな二郎の揺れる感情が伝わり、心に強く訴えかけた。

二郎は菜穂子に綺麗だ、大好きだよ、などとよく菜穂子に愛を囁いていたけれど、庵野監督は妻の安野モヨコ先生を想いながら演じていたらしい。



あの人は非常に愛妻家で、心底奥さんのことを愛しているので、そういった意味でも二郎の役はハマり役だったと思う。

8年の時を経て、本作の素晴らしさを理解することができて良かった。

また数年後に見れば感想が変わるかもしれないけれど、宮崎駿監督の天才ぶりを再認識した作品だった。

カプローニは宮崎駿監督が好きな人で、ジブリはカプローニ社の飛行機から来ているのだという。

風立ちぬを最後の監督作品にすると言っていた宮崎監督が、ジブリの名前の由来となった人を最後に持ってくるのは粋だと思った。

最後と言いつつ、アーヤと魔女を企画し、君たちはどう生きるかを作っているらしいのだけれど。