2002年発表の漫画、全12巻。
今からちょうど20年の前の漫画か。一条ゆかりのインタビューを読んで気になっていた。
まだ3巻の初めまでだけど、面白い漫画だった。
ネタバレあり。
お嬢様育ちの主人公、史緒は父子家庭で育った。2歳の頃に母を事故で亡くした。
父は会社経営をしており、家にグランドピアノを置けるような裕福な生活をしていたが、会社が倒産。
有名な音大に通っていて、留学予定だったがそれも無しに。
父は知り合いのつてでニュージーランドで牧場をやることになり、史緒は一人暮らしをすることになるも、スリにあって貯金500万を全て取られる。
イタリア留学のため、コンクールに出るも、萌という女に、あなたの母はあなたを庇って亡くなったのだと歌う直前に言われて優勝を逃し、萌に留学のチケットが渡った。
萌は史緒がまだ豪邸に住んでいた頃、ハウスキーパーとしてバイトに行った際、史緒からオペラのチケットを貰い、一緒に観に行った仲だった。
しかし、萌の恵まれた環境に嫉妬し、惨めになって彼女の前で涙を流していた。
萌は別の音大に通っていて母子家庭で、貧乏だった。
母親は飲んだくれ、萌に金の無心をした。
史緒はスリに遭った時に助けてくれた、同じ大学に通い、ホステスの母を持つ、母子家庭の蘭丸を好きになった史緒。
蘭丸は美形で女にモテるが、史緒の気持ちに気付いていなかった。
蘭丸は母の店で女装をしてピアニストをしていた。母に頼まれ、史緒をホステスに誘うが、史緒は店で歌手として歌うことになった。
萌は自分の生活の面倒見てくれた神野(じんの)という男を好いていたが、神野は史緒にパトロンとしての結婚を申し込んでいた。
プロポーズを受けるか悩んでいた史緒だったが、本格的に歌を学ぶため、プロポーズを受ける決心をした。
同時期に、史緒の優しくしないでという言葉により、蘭丸は史緒の自分への恋心を知った。
蘭丸は萌の声に惚れ込み、自分の作曲した歌を歌ってほしいと頼んでいた。
あるとき、店の客の要望により、史緒と萌がデュエットをすることなった。
お互いを憎み合っていた2人だったが、これまでにないほど気持ちよく歌を歌うことができた。
そして蘭丸も2人の歌を求めていたんだと感動する。
そして、2人に自分の曲を歌ってほしいと頼んだ。史緒は、留学までの間ならと了承した。
感想
たった2巻とちょっとで、濃厚な読み応えある漫画だった。
萌が性格悪過ぎて嫌だけど、史緒も史緒で好きになれず。
ただ、史緒は史緒で大変な目に遭い、苦労してるのに萌は何も苦労してないと思い込んでいるのが呆れた。
蘭丸が史緒を好きになるかと思ったらそういうわけでもないのが意外だったし、神野が史緒にプロポーズしたのも驚いた。
恵まれない中でバイトを複数しながら、体張って頑張ってきたのは萌だし、捻くれてるとはいえ、幸せになってほしい。
史緒は他にもっと実入りのいい夜の仕事をすれば、あっという間に留学費用くらい稼げそうと思ったけれど、お嬢様には難しいか。
結婚することによって表舞台に立たせるという神野は、若い女を搾取するという感じで気持ちが悪い。
萌に対してあそこまで良くするのも謎だけれど。それならそのお金を史緒に使えばいいのに、手に入れたいから使わない。
あと10巻もあるということは、史緒はすんなり結婚しないのかもしれない。
続きが気になる。