忘却の都

忘却の都

すぐ忘れるから書く(^ω^)

劇場アニメ うしろの正面だあれ 感想あらすじ結末

第二次世界大戦のアニメ。
1991年3月上映。

かよこという少女が、家族を亡くして、強く生きると決意するまでの物語。実話をベースにしている。

元は小説で海老名香葉子が著者。初代林家三平の妻。

ネタバレあり。



あらすじ
東京都墨田区に住むかよこは、釣竿を売っている家の末っ子だった。3人の兄と両親、祖母と暮らしていた。

泣き虫で器量も良くないが明るくて、性格のいい子だった。優しい母と、長男に厳しい父と、自分に厳しい祖母に育てられた。

新しく弟も生まれ、平和に過ごしていたが、戦争で疎開することになった。疎開している間に東京大空襲があり、三男の兄以外を失った。

親戚を盥回しにされるかよこ。三男は行方不明に。

焼け跡の実家で、家族の茶碗や箸を見つけて「私も連れていって」と泣き崩れるかよこ。



泣いているとどこからともなく坊さん坊さんの歌が流れてきて、指の隙間から除くと、自分の周りをぐるぐると回る足が見えた。

背後の正面だあれ、の歌声で「母ちゃん」と振り返ると母がいた。そして、亡くなった他の家族も。

幽霊の家族たちに励まされ、きっと三男と再会し、強く生きていくことを誓ったかよこ。天へ昇っていく家族たち。

その後、かよこは三男と再会できた。



感想
泣けた。平和なシーンが長かっただけに余計に悲しく。
母親から「美人じゃないけど」と言われるところがすごいなと思ったけど、本当のことを言って、でも見た目が大切なんじゃないってことを教える母は偉大だと思った。

実際、確かに海老名さんは美人ではない。でも名家のお嫁さんになっているし、大切なのは見た目ではないのだとわかる。

頼りになる三男が生きていたのはよかった。
でも下の子が亡くなったのが悲しく。



代々続く釣竿の家で、習い事もしていて、すき焼きも食べていたからきっと裕福な家だったのだろう。

それなのに戦争で使うからと祖父の懐中時計や、弟の人形を資源として差し出さなければならなかったシーンもつらかった。

そういった思い出の品は、手放してしまったらもう二度と手に入らない。同じものを買っても意味がないから。



三男の声が野沢雅子だった。特徴的でいい声だ。
何より素晴らしかったのが、ラストシーンの坊さん坊さんの、指の隙間から足を見て、顔から手を離して振り返るシーン。

静まった中で幻影を見るまでの空気、動きの技術に感嘆した。

歌のメロディな有名なかごめかごめなのだが、歌詞が異なり、坊さん坊さんと呼ぶらしい。

子供が多くいるって、兄弟が多いって幸せなことだなと思った。
ジブリの雰囲気に似ているけど虫プロダクションだった。