忘却の都

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すぐ忘れるから書く(^ω^)

映画 今夜ロマンス劇場で 感想あらすじ結末

どんなのかは知ってたけど、綾瀬はるかが好きじゃなくて見てなかった。

宝塚で舞台化されたってことで見た。

2018年公開映画。もっと古いかと思ってた。

でも坂口健太郎が割と最近売れ始めた俳優だから、確かに最近かも。

ネタバレあり。



あらすじ
病院で過ごす老人の男は映画の脚本を書いていた。
サボり癖のある看護師が、その話を聞かせてほしいと強請ると、老人は物語を語り始めた。

ある青年の不思議な体験の話。

青年は映画の助監督をしていた。

そしてロマンス劇場という映画館で、毎日貸切で古い映画を見ていた。

お転婆姫と三銃士という映画。

その中の姫に青年は惚れていた。



ある日、コレクターがその映画を売ってくれと言って、映画館のオーナーが売ろうとしていた。

もうお別れかというとき、姫がスクリーンから飛び出してきた。

白黒の映画のため、姫の姿は白黒。初めは女優が出てきたのかと青年は思ったが、彼女は物語の中の姫の意識を持っていた。



破天荒な姫に振り回されながらも、青年は仲を深めていき、姫もまた、青年に惹かれていった。

しかし姫が誰かに触れたり、触れられると姿が消えてしまうことを知り、青年と姫は互いに悩む。

青年の人生の邪魔を出来ないと、最後に抱きしめてくれと涙する姫に、青年は断り、ずっと一緒にいてくださいと言った。



触れ合うことがないまま、結婚した二人。

海辺で手を繋ぐときも、タオルの端と端を握りしめていた。

姫は歳をとることなく、青年だけが老人になった。

その老人は、あの脚本家だった。

側から見ると、祖父と孫。転んでも手を貸さない彼女を見て、周りは冷たいと囁く。

やがて、老人にお迎えが来た。



病室で、老人にお礼を言い、老人の胸で泣きながら手を握った姫の手を、彼も握り返した。

すると姫の姿は消えていった。

翌朝、看護師が脚本の原稿を見つけ、聞いていなかったラストシーンを読んだ。

モノクロのパーティー会場のドアが開き、これまで二人が出会った人々が、彼らを祝福していた。

そして、二人はキスをした。モノや人、全てが色付いていき、黄金の紙吹雪が舞い散っていた。



老人の死に際は流石に泣いてしまった。

綾瀬はるかは相変わらず好きにはなれなかったけど、北村一輝の役が最高すぎた。

一流俳優の役。あれは勉強させていただきます!!と言いたくもなる。

本当に青空のように心が広いよ俊藤。自分で俊藤って言ってるのも面白かった。

本田翼が可愛かった。前はパッとしないなと思ってたけど、最近すごく可愛く感じる。



主人公、牧野の老人役の加藤剛は、この映画公開の4カ月後に亡くなったらしい。亡くなる役で、直後に亡くなるとはなんとも。

北村一輝見たさにもう一回見たくなる。ピンクのスーツと白いハットが似合いすぎだし歌舞伎姿まで似合う。

途中の二人がデートするシーンはあんまりちゃんと見てなかった。

この映画は色んな映画をオマージュしているのだとか。そういえば最初はローマの休日、ラストシーンはタイタニックだった。そこはすぐ分かった。



ラストシーンを見て、タイタニックのラストがいかに傑作なのかということをまざまざと感じた。

パロディなのに分かるし、それでいて感動する。
若き日の自分達に返り、当時の姿の故人たちに祝福される。なんて完璧な構図なんだろう。

タイタニックの偉大さに震える。

歩く自分視点で、故人が笑顔で迎えてくれるっていう構図もまた神。

タイタニック思い出して泣きそう(泣)

姫の美雪は、姫として出てきたけど、実在の女優でスクリーンの主役にまでなっているのだから、あのままの姿で出てきたら激似すぎて騒ぎになりそうなものだけど、と思った。

それと女優の意思と関係なく、知らない人と恋愛に至るのも、それはいいのか?と引っかかった。

全く肉体関係皆無な、超ピュアな関係ではあるけど、女優にだって別に夫や子供、孫もいるかもしれないし。



と、現実的なことは別にして、タイタニックの素晴らしさと北村一輝の唯一無二さを再認識できた良作だった。