1巻だけ読んで存在を忘れてた。
ドラマの続編がスペシャルでやってたと知って、思い出した。
ドラマの続編見てないから見たい。
シーズン2は、1の主人公、倫子より若い。30歳で、最終回では31歳になった。
性格がどことなく似ていて親近感が湧いた。
最終巻は、去年の11月に発売されてた。割と最近。
ネタバレあり。読んでない人は読んでからを強くおすすめする。
職場の先輩、森田昭子(しょうこ)に連れられてよしおが集まるバーで、婚活の練習をする主人公、令菜(れいな)。レイチェルと名付けられた。
よしおバーをクビになった2号に恋し、体の関係も持つが、彼に愛情がないと分かり、冷めてしまった。
フラフラしたフリーターの2号と違って、結婚に現実味があるオーナー兼店長である1号の良さが分かり、結婚したいとアタックするが、1号は森田に惚れてしまった。そして、ベッドインまで。
レイチェルはショックを受けたが、仲良くなった小学生男子、よしおの影響もあり、本を読むようになった。
森田とオーナーの結婚式の日、森田の腹違いの兄に恋したレイチェル。
小学生男子のよしおから、告白もされた。そして、あの人なら僕と似ているから大丈夫でしょうと言った。
最後は森田の夢である、海の近くの崖でみんなでバーベキューして終わり。
感想
面白かった。感動したし泣けた。
何もない毎日、からっぽな自分。中身がなくて、見た目だけオシャレして婚活したって付け焼き刃。
分かるーと思ったし、東村アキコ先生の独身女子への着眼点、観察力はすごい。
令菜は実家暮らしでぬくぬく安いバイトで生きられて、親から婚活軍資金までもらえて、だいぶ恵まれてるけど。
私の友人も、結婚相談所のお金を親に出してもらっていた。恵まれている子というのはいる。
Netflixしか見てなくて、本も読まなくて、趣味もなくて、仕事もバイトで。何もない令菜が本を読むようになって、最終的に自分に自信を持てるようになったけど、小学生のよしおはありのままの令菜が好きだった。
それで、1号や2号を見る目がないバカなんだと言ったのはちょっと嬉しくなった。
令菜が「じゃぁ、私はどうすればいいんですか?」と、言うところが悲しくて。
これまでの時間は巻き戻せないし、今更ダメ出しされてもどうしようもない。それで頑張ってみても空回り。どうすればいいのか分からなくなるのも分かる。
てっきり、オーナーとくっつくかと思ったらまさかの展開だった。オーナーが昭子に靴を買ったところで、フラグ立ったと思った。
オーナーの気持ちはわかる。男は見た目と年齢しか見ないバカ男が殆どだけど、いい男ほど中身を見る。
性格の良し悪しではなく、芯がある強い女が好き。
森田は自分の夢のために実家暮らしでお金貯めて土地を買ったし、高い20万くらいする靴を給料全部はたいて買ったりしてた。
そういう、好きなものがハッキリしてて、行動力のある女は、男女どちらから見ても魅力的だと思う。
令菜のために車も出してたし、そもそもがよしおバーの存在を知っていた時点で魅力がある。
40歳になって実家暮らしでもそれを卑下することもなく、「実家に金を入れずにクズでいながらそれでも夢のために生きてきた」と言う森田がかっこいい。
でも小学生のよしおだってかなりいい男だし、森田の兄だって真面目でいい男。
令菜には令菜の良さがある。
タラとレバが言っていたように、たった1人に好かれればいい。結婚は、日本ではたった1人としか出来ない。離婚して別の人ということはあっても、同時にはない。
令菜の良さがわかるたった1人に愛されればいい。
だから落ち込む必要はないのだと。これは、世の女性全てに言えると思った。どれだけ何人の男性に愛されようと、結婚となれば必ず1人を選ばなければならないのだし。世の中には不倫するマダムもいるけれど(笑)
クズ男に割く時間はないし、そういう男を好きになるのはバカだというのも。
そういう時は、誰の意見も耳に入らないものなのだけど、本当に無駄。
大事にされてない時のザラザラした気持ちとか。
朝帰りした令菜がザラザラした気持ちで、コーヒーも用意してくれなくて、昨日と同じ服着て気持ち悪くてとなった対比で、昭子はコーヒーを早く出せとオーナーに命令して出してもらって、同じ服を着ていても堂々としていて。
これが愛されていない女と、愛されている女の違いだと思った。
東村アキコ先生のインタビューで、離婚何回もとあったけど、そういう経験のある人が書くからこその視点もあると思う。
東村アキコの作品は竜頭蛇尾と言われがちだけど、私は面白かったし、感動したし、救われた。
この作品は婚活と恋愛が主なテーマに見えて、夢をテーマにしていた。
独身、既婚者、子持ち、子なし、年齢性別関わらず、夢を持つことの大切さを説いている。
婚活では、どんな人が好きか、どんな人と結婚したいかではなく、どんな結婚をしたいのか。
それを叶えるためにはどんな人と結婚すべきかを選ぶ。というのは有効的な思考だと思った。
令菜のタイプはゆるっとした2号だったけど、2号では令菜の夢である家族でバーベキューや、イベントは叶えられない。やる気ないから。
好きなタイプではなく、バーベキューをやれる人。これは、幸せになる道筋だと思う。
昭子の夢の家は建設中で、間もなく令菜の夢も叶うと思う。叶ってほしい。
2号の、お客の女の夢を悉く喰っちまうシーンは少し笑えた。ジャマイカなんてもういい!(笑)
夢を持つって素敵。自分の好きなことに打ち込んでいたら良い人に出会ったというのはよく聞く。
昭子はその例だと思う。こういう結婚願望のない人がスルッと結婚決まるのもあるある。
今の時代、40歳でも妊娠、出産は出来る。適齢期がいいのはもちろんだけど。確実に欲しい人は、遅くとも35歳までに結婚した方がいいとは思う。
ただ、自分を大切に見失わずに、夢を持って生きることが大事だと強く思った。
よしおバーにすごく行きたい。モデルになったバーはないそう。
東村ファミリーの婚活女子たちが、頑張りましょうと先生に言われて、ハイ!!!と力強く返事してたのが笑った(笑)
倫子たち元祖タラレバ娘3人がちょこちょこ出てきたのも嬉しかった。
倫子たちは昭子と同じく40歳。もうそんなかと驚く。出産に時限はあるけど、結婚は何歳でも出来るから、倫子たちにも諦めないで欲しい。もちろん結婚だけが幸せではない。
夢を持つこと、人との関わりの大切さ。
今この作品を読めて本当に良かった。ありがとう、アキコ先生。
50歳でセミリタイアする予定とインタビューにあった。いま46歳。あと4年しかない!
新作が出たらすぐ手に取りたくなるの、アキコ先生くらいしかいないから、4年後は何を楽しみに生きればいいのやら。